シュリンクバック現象 原因と対策について
こんにちは!商品企画課の千葉です。
毎月、新商品の施工に役立つ情報をご紹介しています。
今月は高圧ケーブルの端末部で発生する「シュリンクバック現象」についてです。
シュリンクバック現象は、外観からは気づきにくいまま静かに進行し、放置すると地絡や周辺設備にまで影響が及び波及事故につながるおそれがある劣化現象です。シュリンクバック現象が発生するメカニズムや条件、リスクを抑える対策製品についてご紹介いたします。
1.シュリンクバック現象とは
シュリンクバック現象とは、高圧ケーブルの絶縁シース(外装被覆)に関する劣化現象です。ケーブル製造工程でシース材料を高温で軟化させて被覆したあとに急冷するため、シースに長手方向に伸ばされた状態の歪み(残留応力)が残ります。敷設後、日射や通電によるヒートサイクル(温度変化の繰り返し)によってこの残留応力が解放され、シースが収縮します。
特にEMケーブル(エコケーブル)などポリエチレン系シースを使用したケーブルは、従来のビニルシースに比べて残留応力が大きく、シュリンクバックが起きやすい傾向があります。
2.シュリンクバックが起きるとどうなる
端末部においてシュリンクバック現象が発生すると、遮蔽銅テープがシースに引っ張られ破断し、充電電流により絶縁体等が徐々に焼損します。破断箇所を起点に異常な電流経路ができることで、じわじわと絶縁体が損傷していきます。
実際に近畿管内の事業場では、屋外の高圧引込みケーブル端末部で地絡が発生し、保護範囲外であったため波及事故(周囲設備にまで影響が及ぶ停電事故)に至ったケースが報告されています。
3.シュリンクバック現象が発生しやすい条件は?
①負荷電流が大きくヒートサイクルが激しい環境
②日射による温度変化が大きい屋外敷設
③ケーブルが長い直線状態で敷設されている箇所
④大サイズの単心ケーブル
⑤屈曲・切断箇所など応力が集中しやすい場所
これらの条件が重なるほどリスクが高くなります。
4.対策方法として(製品紹介)
シュリンクバック現象の発生を抑制する製品には様々なタイプが存在しますが、大きく2方式に分かれます。
4-1.本体のみで抑制するタイプ
①3M™PST端末-EM屋外用T6PS-Oシリーズ(常温収縮工法)
屋内・屋外・耐塩用端末と多様なラインナップのある3M製品(T6PSシリーズ/T6PSBシリーズ)では常温収縮工法によるシュリンクバック抑制を実現。
拡径したチューブが縮む事でケーブルシース表面に常に面圧が掛かかる為、シースの収縮を抑え込みます。

②3M™クイックスプライスQS3/QSTシリーズ(レジン接続工法)
レジン注入工法により、優れた絶縁性能と防水性能を保持します。スパウト付セパレートパックを注入口に直接する工法。
レジンを搾って注入できることで、作業性・施工時間の短縮を可能にします。
4-2.後付けタイプ
①古河電工「シースグリップ」
取付けにあたり火気・熱源を使用せず、既に端末処理が終わったケーブルにも後付けできる抑制部品。ケーブルシースを掴んで固定し、収縮の進行を抑える仕組みとなっています。 
②古河電工「シースバインド」
こちらも取付けにあたり、火気・熱源は使用せず、端末処理後に螺旋状にワイヤーで固定するだけ。小コストで対応できるのがメリットです。
今回は以上となります。
シュリンクバック現象は、屋外設置や大きな負荷電流など、特定の条件が重なることで進行が早まり、気づかないうちに重大な事故へとつながるおそれがあります。日頃の点検に加え、本ブログでご紹介した対策製品を活用いただくことで、そのリスクを低減することができます。
当社ホームページでは、シュリンクバック対策の製品についてより詳しく掲載しています。ぜひそちらもご覧ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。







