業務用エアコンについて
こんにちは!商品企画課の千葉です。
毎月、新商品の施工に役立つ情報をご紹介しています。
今月のテーマは店舗やオフィス、工場など、業務用の空間には欠かせない「業務用エアコン」についてです。
2027年エアコン問題により、空調機の省エネ性がとても注目されていますね。2026年4月からは、グリーン購入法の判断基準に「常時監視システム」の使用が新たに組み込まれるなど、業務用エアコンも制度が変わりつつあります。
パッケージエアコンの基本的な種類や選定の考え方から、需要動向、制度変更のポイントを整理してご紹介します。
1.業務用エアコンの概要
1-1.業務用エアコンとは
店舗・オフィス・工場・病院・学校・商業施設など、住宅以外の空間の空調に使われるエアコンの総称です。
家庭用ルームエアコンと比べて、対応できる床面積が広く、冷暖房能力が大きく、耐久性・連続運転性能に優れているのが特徴です。「業務用エアコン=パッケージエアコン」と同義で使われることが多い言葉です。
1-2.エアコンはどのように使い分けるの?
エアコンは、設置場所や用途に合わせて次のように使い分けられます。
・ルームエアコン:住宅用向け
・店舗・事務所用パッケージエアコン:店舗やオフィスなど小・中規模の施設向け
・ビル用マルチエアコン:中大規模ビル向け(各室内機を個別運転可能)
・セントラル方式:大規模施設向け(中央空調方式)
1-3.パッケージエアコンの基本的な種類




2.空調機(パッケージエアコン)の馬力の目安は?
空調能力を換算する際の目安として最もよく使われているのが、1馬力≒2.8kWという基準です。業務用エアコンなどの空調機器選定を行う際には、空調能力を示す馬力に着目することが大切です。
ただし、馬力だけで製品を選定することはトラブルのもとにもなるので、使用場所や用途に合わせることが必要です。 
(参照元:パナソニック「パッケージエアコンについての基礎知識」より)
馬力は大きければ良いというものではありません。過剰だと短いオンオフを繰り返して効率が落ち電気代がかさみ、不足すると常時フル稼働で電気代+故障リスクも高まります。
天井の高さや在室人数、発熱機器の有無などの条件を想定して、製品選定することが大切になります。
3.業務用エアコンの需要動向
3-1.国内の出荷台数推移
日本冷凍空調工業会(JRAIA)の自主統計によると、2026年5月度の業務用エアコン国内出荷台数は72,456台で前年同月比104.3%、2026会計年度累計では142,488台の前年比109.2と前年を上回るペースで推移しています。
(引用元:日本冷凍空調工業会「自主統計、業務用(パッケージ)エアコン」より)
3-2.需要を押し上げている主な要因とは
①更新(買い替え)需要の増加
2005年前後に導入された機器が更新時期を迎えており、老朽化した設備の更新需要が継続しています。10年以上使用されている機器では、部品の保有期間(製造終了後おおむね9~10年)が終了しつつあるため、修理ではなく更新を選択せざるを得ないケースが増えています。
②大規模再開発・データセンターの新設
2020年代後半にかけては、大規模再開発に伴う大型建築物の建設や、データセンター・半導体工場などの産業施設の新設により、空調需要の拡大が見込まれています。また、都市部におけるオフィスビルや商業施設の新築・改修案件も、需要を下支えしています。
③省エネ関連の投資・補助金
省エネ性能の高い機器への更新を促進するため、国や自治体による補助金の活用が進んでいます。電気料金の高止まりを背景に、ランニングコストを重視した更新提案が増加しており、省エネ性能に優れた製品への需要も高まっています。
④猛暑・空調需要の高まり
近年の猛暑の常態化を背景に、家庭用エアコンに加え、店舗やオフィスにおける空調設備の増設・能力増強へのニーズが高まっています。
4.グリーン購入法に適合するには「常時監視システム」が必要になった!?
4-1.グリーン購入法の基本方針変更
2026年2月3日に閣議決定された「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」の改定により、2026年4月以降、業務用エアコンのグリーン購入法の判断基準に「常時監視システム」を使用したものであることの要件が追加されました。
これまでの判断基準は省エネ性能(APF等)や冷媒のGWP(地球温暖化係数)が中心でしたが、今回の改定で新たに「基準値1」(より高い環境性能、推奨基準)と「基準値2」(最低限満たすべき基準)2段階の要件が認定され、その中に常時監視システムの使用が組み込まれました。
4-2.具体的な要件とは
①フロン類の漏えいを検知するために必要な圧力・温度などを、冷媒系統ごとに1日1回以上計測・診断する
②漏えいの有無がわかる計測データや診断結果を1年以上保管すること
③漏えいまたはその疑いを検知した場合、管理者以外が容易に解除できない方法で直ちに管理者へ通知し、その履歴も1年以上保管すること
④適正冷媒充填量の30%が漏えいするまでに検知できること
4-3.方針変更により誰に影響があるのか
グリーン購入法自体は国等の機関に法的な調達義務を課すもので、各機関は毎年度「調達方針」を策定・公表し、基準に適合した製品を調達することが求められます。民間の店舗・オフィスには直接の購入義務はありませんが、官公庁案件の受注がある事業者や、環境配慮を重視する企業では今後標準的な選定基準になっていく可能性があります。
・義務:各府省庁・独立行政法人・特殊法人・国立大学法人 等
・努力義務:地方公共団体・地方独立行政法人
・基本的責務:民間企業・個人
4-4.対応するにはどうすればいいの?
各メーカーは対応を進めており、たとえば三菱電機は「MELく〜るLINK」、ダイキンは遠隔監視サービスなどで、本体に加えて専用の通信アダプタやクラウド監視サービス(月額利用料が発生するケースが多い)を組み合わせることで適合させる形をとっています。
機器本体だけでなく、通信機器の設置・接続やサービス契約の締結までを含めて「利用可能な状態」にすることが適合の条件になる点は押さえておくことが必要です。
今回は以上となります。
業務用エアコンは、設置場所や用途に合わせた適正な馬力選定、そして今後は制度面での対応まで含めて検討すべき設備になりつつあります。2026年4月グリーン購入法改定は、直接の調達義務がない民間企業にとっても、今後の標準的な選定基準となっていく可能性を秘めています。
今後は製品本体だけでなく、管理・保管・メンテナンスの運用部分が非常に大切になってくるでしょう。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。







