<第1回>LED照明器具の市場動向

こんにちは!商品企画課の千葉です。
これから毎月第3金曜日に新しい商品の施工に役立つ情報をご紹介していきます。
まずは全5回にわたって“照明の施工”について取り上げます。
便利な機能を搭載することで、暮らしが快適になる一方、日々施工をされているお客様にとっては
これまでの施工にはなかった手間や苦労が生まれているのではないでしょうか…
そんな施工時のお悩みを解決するヒントになれば幸いです!
早速ですが第1回は「LED照明器具の市場動向」についてご紹介していきます。
我々の身近な存在である「照明」ですが、時代の流れとともに、その姿かたちや機能は大きく変わってきています。
まずは照明のトレンドについて紐解いていきましょう!
1.迫りつつある、市場の縮小
メーカーが危惧する非住宅照明の市場縮小とは
「水銀に関する水俣条約第5回締約国会議」において、全ての一般照明用蛍光ランプについて製造と輸出入の禁止が2027年末までと決定した今、LED照明の取替えが急加速しています。コロナ禍からの需要回復、電気代・人件費の値上げに伴う省エネ対策の意識向上、蛍光ランプの製造終了関連について、様々なメディアで配信されており、今後さらなる認知が浸透することにより、LED市場は拡大していきます。
しかし、2030年以降は、LED化も緩和状態に入り、市場は徐々に縮小するとみられております。そうなると、工事店様、メーカー様、商社と販売・工事するモノが減少するかもしれません。非住宅照明のメインであるLED一体型ベースライト(バータイプ)は、2024年度1,162億円の見込ですが、2040年度には945億円程度となり、20%ほど減少すると予測されております。
2.ビジネスチャンス到来
メーカーが生き残りを賭ける無線制御照明への投資について
非住宅照明市場の低迷を回避するため、各メーカーが新無線制御システムの開発に取り組んでいます。無線式照明制御ソリューションでは、2024年度381億円の見込に対し2040年度には1,320億円まで拡大する予測であり、一体型ベースライトとは相対し、市場の発展が期待されています。
新無線制御システムとは、小中規模オフィス・商業施設・学校等をメインにした照明制御システムであり、照明の枠を超えた拡張性を持つ“次世代の照明”として注目されています。
従来の配線構成とは違い、照明信号線が不要。照明器具間で相互通信(2.4GHz帯メッシュ無線通信方式)が可能になり、さまざまな施設で省エネ・快適空間・ソリューションを実現することができます。
今後、さらなる機能・サービスの拡充が期待でき、有線制御から無線制御へ市場のニーズが移り変わることが考えられます。
3.大きな転換期
Lighting5.0がもたらす照明器具の役割について
Lighting5.0とは(一社)日本照明工業会が提唱・定義する新時代のあかり概念です。
分野や業種を超えたさまざまなモノ、コトにつながることで、多様な環境やライフスタイルに合わせたより豊かな暮らしを、照明を通して創造していきます。
Lighting1.0 人類が手にした最初のあかり(たいまつやロウソク、油、ガス灯などの炎)
Lighting2.0 白熱電球
Lighting3.0 放電灯
Lighting4.0 LED照明
Lighting5.0 Society5.0※に対応する次世代照明
※政府が提唱する新たな社会(サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会)
従来の照明に対して、Lighting5.0は、明るさを得るためだけの照明ではなく、「健康」「安全」「快適」「便利」な高付加価値な照明のことです。
無線照明制御は「便利」に該当します。
4. 実際に施工する前に知っておきたいこと
無線制御のメリットとデメリットについて
省施工が大きなメリットとなり得ますが、便利さを実現するためにアプリケーションの操作や設定作業が生じます。また、ユーザー様が抱える課題を的確に把握し、その設定作業に活かす必要性も生じるためより細やかなコミュニケーションが求められることになります。
本記事を通じて、市場の拡大が見込まれる無線式照明制御ソリューションについて商品の詳細や、ユーザー様に対する対応方法等をお伝えさせていただきたいと願っております。
<メリット>
①信号線工事不要
無線で調光するため、調光信号線工事が不要。施工後自由に照明器具のグルーピングができるため、事前の回路設計も必要なし
②電気代節約に貢献
調光比と消費電力はほぼ比例するため、減光した分消費電力の削減につながる
③場所に応じた適正照度で快適照明空間
場所、時間、季節などに応じて照度や色温度に変化をつけて、働きやすい空間を創出
④レイアウトフリー
オフェスのレイアウト変更や契約テナントの変更時に、照明追加工事が不要
リモコンやタブレットを使用して照明のグルーピングや照度設定が柔軟に対応できる
<デメリット>
①通信の安定性
壁や距離、他の電波干渉によって、通信が不安定になる可能性がある
②遅延の発生
指示を出してから、照明が反応するまでに若干の遅延が生じる場合がある
③設定・操作が必要
スマホアプリやソフトウェアの使った設定が必要で、操作に慣れるまで時間がかかる
第1回は以上となりますがいかがでしたでしょうか。
また次回の更新でお会いしましょう!