こんにちは!商品企画課の千葉です。
毎月、新商品の施工に役立つ情報をご紹介しています。
今月は前回に引き続きアルミケーブルの「許容電流と構造」「アルミケーブルのメリット・デメリット」についてご紹介します。
利点だけでなく、デメリットや注意点などについてもお伝えしてきます。
2019年8月設立(昭和電線ホールディングスと古河電気工業の共同出資)。建設・電販市場向けの汎用電線・ケーブルの販売を主軸とする販売会社。
電力用や通信用ではなく、主にビル・住宅・一般設備向けの電線・ケーブルを提供しています。
2002年7月設立。住友電気工業・株式会社プロテリアル・タツタ電線などの総合力を結集した建設電販市場特化の会社。
高品質・持続可能性・信頼をブランドとして掲げ、社会インフラを支えています。
1950年5月設立。電線・ケーブル、その他周辺機器機材の製造・販売会社。
電力用ケーブル、光ファイバーケーブル、鋼線・アルミ線、銅線、配線システム、モジュール機器など幅広く手掛けています。エネルギー・情報通信分野を主軸に「つなぐ」テクノロジーをキーワードに事業展開しています。
※通電容量を合わせるために、銅導体ケーブルよりも大きいサイズを選定してください
(出典:日本電線工業会、600Vアルミ導体架線ポリエステルケーブルの特性及び取扱い)
①軽量性
アルミケーブルの最大の利点は、その軽量性です。
銅ケーブルと比較して約30%~50%軽量化されているため、施工時の取り回しが容易になり、作業者の身体的負担を大幅に軽減できます。特に高所作業や長距離配線において、この軽さは作業効率の向上に直結し、省力化を実現します。
②地金変動によるリスク軽減
銅価格の高騰が続く中、アルミケーブルは低価格・変動の安定性でも優位性があります。
2026年1月5日付の国内銅建値では、2,050ベース(千円/トン)の最高値を更新。急高騰により、銅電線を製造するメーカーや工事業者は今後を心配する状況となっています。
銅に比べアルミニウム相場は、安定している傾向があるため地金変動によるリスクを軽減することができます。
➂盗難防止
銅は金属スクラップとして高値で取引されるため太陽光発電施設・建設現場などでは盗難被害が多発しています。アルミニウムは相対的に買取価格が低く、盗難のターゲットになりにくいため、盗難防止対策として有効といえます。また、シースの色を青色にすることで、アルミケーブルと認識することができ、識別性・視認性UPによりケーブル盗難の抑制になります。
④省力化・生産性向上
軽くて柔らかいアルミケーブルを採用することで、作業効率向上に大きく貢献します。
ケーブル運搬作業において一度に運べる量が増えること、高所作業や狭小スペースでの配線作業においても取り回しが楽になり作業スピードが大幅にアップします。
①導電率が低い
導電率は銅の約60%であるため、同じ電流を流す場合、銅ケーブルよりも太いケーブルが必要になります。
(例:銅ケーブル22㎟の場合、アルミケーブル38㎟とワンサイズ太いものが必要)
太くした場合でも総重量は軽いですが、既存管路に入らないことや曲げ半径不足のトラブルなどがあるので要注意です。
※通電容量・サイズについては、2.許容電流と構造をご確認ください
②専用部材と専用工具の必要性
アルミケーブルの施工には、アルミ専用の部材および工具を使用することが前提となります。
具体的には、専用の圧着・圧縮端子、端子カバー、端子台に加え、被覆剥離および表面処理を行う皮剥ぎ・ブラッシング工具、電動油圧式圧着工具や対応ダイスなどを準備する必要があります。
アルミニウムは酸化しやすい金属であり、銅用の部材を流用した場合、異種金属接触による電食(ガルバニック腐食)が発生しやすくなります。その結果、接触抵抗の増大による発熱や、最悪の場合は火災につながるおそれがあります。
このため、アルミの特性に適合した専用の接続部材を用いることが不可欠で、これらの専用部材や工具を新たに導入するための初期投資コストが発生します。
また、施工を行う作業者には、専用部材の正しい取り扱いや施工手順に関する知識・技能の習得が求められ、教育・訓練に要する時間や費用についても考慮する必要があります。
電食(でんしょく)とは、正式には「電気化学的腐食」または「ガルバニック腐食」と呼ばれる現象で、異なる種類の金属が水分や湿気などの電解質を介して接触した際に発生する腐食現象です。
金属にはそれぞれ「イオン化傾向」と呼ばれる性質があり、これは電子を放出してイオンになりやすい度合いを示します。アルミニウムと銅を比較すると、アルミニウムの方がイオン化傾向が高く、より腐食しやすい特性を持っています。そのため、アルミニウムと銅が接触し、そこに水分などの電解質が存在すると、局部電池(ガルバニック電池)が形成され、アルミニウム側が優先的に腐食します。
アルミケーブルにおいて電食が発生しやすいのは、銅製端子との直接接続、既設の銅配線との接続部、ならびに屋外や高湿度環境などの条件下です。電食が進行すると、接触抵抗の増加による発熱を招き、最悪の場合には断線や火災といった重大な事故につながるおそれがあります。
このようなリスクを防ぐためには、アルミ専用の端子や接続部材を使用し、アルミニウムの特性を踏まえた適切な設計・施工を行うことが不可欠です。
アルミケーブルは、銅価格の高騰や供給不安を背景に、送配電網や建築配線分野において採用が拡大しています。
なかでも、アジア太平洋地域での電力インフラ整備需要が市場をけん引しており、再生可能エネルギー関連施設の増加も追い風となっています。
アルミニウムは銅に比べて材料価格が安価で、相場変動も比較的安定している点が特長です。また、重量は銅の約3分の1と軽量であるため、施工時の取り扱いが容易になり、電気工事における省力化や人工削減にも寄与します。
一方で、導電率が銅の約60%と低いため、同等の電流容量を確保するには断面積を大きくする必要があります。
その結果、既存の管路に収まらない、あるいはケーブルラックの幅を拡張しなければならないといった課題が生じる場合があります。
さらに、異種金属接触による電食(ガルバニック腐食)を防止するため、専用の部材や工具を使用する必要があり、初期コストが増加する点にも留意が必要です。
総じて、アルミケーブルは適切な設計および施工を前提とすれば、大規模な送配電設備や重量制限のある用途において、経済性と実用性を兼ね備えた有効な選択肢といえます。
ただし、使用目的や設置環境に応じた慎重な検討が不可欠です。
以上で「アルミケーブル」特集は終了となります。いかがでしたでしょうか。
アルミケーブルを使用する際には、メリットだけでなく、特性や注意点を十分に理解したうえで適切に採用することが重要です。最後までご覧いただき、ありがとうございました。
次回からは「換気・空調」に関する、お役立ち情報をご紹介します。